江戸時代の庶民は何時に寝ていた?現代とは違う睡眠習慣を解説

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江戸庶民の夜
目次

はじめに

現代の日本人は、仕事や学校、スマートフォンなどの影響で夜遅くまで起きていることが珍しくありません。しかし、電気のない江戸時代の人々は、いったい何時ごろ寝ていたのでしょうか。

「日が暮れたらすぐ寝ていたのでは?」

そう考える人も多いかもしれません。しかし実際には、江戸時代の庶民の生活は意外と多様で、季節や職業、住んでいる場所によって就寝時間も異なっていました。

この記事では、江戸時代の庶民が何時ごろ寝ていたのか、その背景にある当時の生活習慣や時間の考え方について解説します。

江戸時代には「時計の時間」がなかった

まず理解しておきたいのは、江戸時代の人々は現代のように「午後10時」「午後11時」といった感覚で生活していなかったことです。

江戸時代には「不定時法(ふていじほう)」という時間制度が使われていました。

昼と夜をそれぞれ6等分する仕組みで、

  • 日の出が明け六つ
  • 正午頃が九つ
  • 日没が暮れ六つ

というように時刻を表していました。

そのため、夏と冬では1時間の長さが異なります。

例えば夏は昼が長いため昼の一刻が長くなり、冬は逆に夜の一刻が長くなります。

現代の24時間制とは大きく異なるため、「何時に寝ていたのか」を正確に換算することは難しいのです。

それでも史料や当時の生活習慣から、おおよその就寝時間を推測することはできます。

庶民の多くは日没後数時間で寝ていた

江戸時代の庶民は、基本的に日の出とともに活動を始めていました。

農民であれば朝早くから農作業を行い、町人も店の準備や仕事を行います。

そのため夜更かしをする理由はあまりありませんでした。

一般的には日没から2〜4時間程度で寝る人が多かったと考えられています。

現代の時間に換算すると、

  • 夏:午後9時〜10時頃
  • 冬:午後8時〜9時頃

がひとつの目安です。

もちろん個人差はありますが、現代人と比べるとかなり早寝だったことがわかります。

なぜ早く寝ていたのか

電気がなかった

最大の理由は照明です。

江戸時代には電灯がありません。

夜の明かりは主に、

  • 行灯(あんどん)
  • 灯明
  • ろうそく

などでした。

しかし、これらは決して安いものではありません。

特にろうそくは高価で、庶民が長時間使うには負担が大きかったのです。

そのため、必要以上に明かりをつけ続けることは少なく、夜が深くなると自然に就寝する人が多かったと考えられます。

朝が早かった

農民は日の出前後には活動を始めます。

町人も商売の準備があるため朝は早めです。

現代のように夜型生活を続けると翌日の仕事に支障が出るため、自然と早寝早起きの生活になっていました。

江戸の町は意外と夜遅くまで賑わっていた

とはいえ、「江戸の人は全員が日が暮れたら寝ていた」というわけではありません。

特に江戸の大都市では夜の娯楽も存在しました。

芝居小屋や寄席、居酒屋などがあり、夜まで営業している店も少なくありません。

江戸は当時世界有数の大都市であり、人口は100万人近くに達したともいわれています。

繁華街では夜でも人通りがあり、商人や職人の中には比較的遅くまで起きている人もいました。

ただし、それでも現代のように深夜0時や1時まで活動する人はそれほど多くなかったと考えられています。

「夜四つ」が就寝の目安だった

江戸時代の記録を見ると、「夜四つ頃」が就寝の目安として語られることがあります。

夜四つは季節によって異なりますが、おおむね現在の午後10時前後に相当します。

庶民の多くはこの時間帯までには床についたと考えられています。

一方で、

  • 夜勤をする職人
  • 警備を担当する武士
  • 火の番をする人

などは例外でした。

職業によって生活リズムは大きく異なっていたのです。

江戸時代には「二度寝」に近い習慣もあった?

近年、歴史研究の中では「分割睡眠」という考え方が注目されています。

ヨーロッパでは産業革命以前、人々は夜中に一度目覚める習慣があったことが知られています。

日本でも完全に同じだったかは議論がありますが、江戸時代の人々も夜中に起きて用事を済ませたり、火の管理をしたりしていた記録があります。

そのため、

  • 夜に眠る
  • 一度起きる
  • 再び眠る

という生活を送っていた人もいた可能性があります。

現代人が考える「8時間連続睡眠」とは異なる睡眠スタイルだったのかもしれません。

農村と都市で違いはあった

農村では生活が自然のリズムに強く依存していました。

田植えや収穫の時期には朝早くから作業を行うため、比較的早く寝る傾向がありました。

一方、江戸や大坂などの都市部では、

  • 商売
  • 娯楽
  • 飲食店

などが発達していたため、農村より遅くまで起きている人もいました。

同じ江戸時代でも、地域によって生活リズムには違いがあったのです。

現代人との比較

現代の日本人の平均就寝時間は午後11時から深夜0時頃といわれています。

これに対し江戸時代の庶民は午後8時〜10時頃に寝ていたと考えられます。

つまり現代人より1〜3時間ほど早寝だった可能性があります。

また、現代は夜でも街が明るく、スマートフォンやテレビなど刺激も多いため、自然な眠気を感じにくい環境です。

江戸時代の人々は太陽の動きに合わせて生活していたため、より自然な睡眠リズムを持っていたともいえるでしょう。

まとめ

江戸時代の庶民は、現代のような時計中心の生活ではなく、太陽の動きに合わせて暮らしていました。

一般的には日没後数時間以内、現在の時間に換算すると午後8時〜10時頃に就寝する人が多かったと考えられています。

その背景には、

  • 電気がなかったこと
  • 照明が高価だったこと
  • 朝が早かったこと
  • 自然のリズムに沿った生活をしていたこと

などがあります。

ただし、江戸の町人や商人の中には夜遅くまで活動する人もおり、すべての人が同じ生活をしていたわけではありませんでした。

江戸時代の睡眠習慣を知ると、私たち現代人がいかに夜型の生活を送っているかがよくわかります。電気もスマートフォンもなかった時代、人々は太陽とともに働き、そして眠るという、自然に寄り添った暮らしを送っていたのです。

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